突発性難聴

突発性難聴とは突然に感音難聴が発症し、原因が不明とされています。 発症から1か月以内に治療しないと聴力が悪いまま固定してしまいます。 低下する聴力の型は様々です。
当院では突発性難聴の診療は保険診療となります。

突発性難聴の治療

ステロイド、循環改善薬の投与を行います。
ステロイドは血糖値を上昇させるため、糖尿病を悪化させることがあります。
ステロイドを処方する前に血糖コントロールの指標であるHbA1cを測定する必要があります。
正来耳鼻咽喉科医院には血液検査装置があるため、20分程度でHbA1cが測定できます。

突発性難聴の予後

突発性難聴の3分の1は治癒、3分の1は改善(治癒せず)、3分の1は不変と言われています。
予後が良いのは、発症から日数が経過していない、聴力低下が経度である、めまいを伴わない場合と言われています。

突発性難聴(症例1)

症例1:左耳のすべての周波数で聴力が低下しています。

突発性難聴(症例2)

左耳の低音域で聴力が低下しています。

突発性難聴と低音障害型感音難聴

症例2のような聴力の低下では低音障害型感音難聴とも診断されます。メニエール病でも一側の低音域が悪化することもあり、鑑別がきわめて困難です。

正来耳鼻咽喉科医院からのお願い

早期に治療を開始できたかが突発性難聴の予後を左右すると言われています。
突発性難聴を疑う症状があれば、耳鼻咽喉科を早めに受診することをおすすめします。
 

耳の病気一覧

  • 難聴の分類と正常な鼓膜

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  • 急性中耳炎

    急性中耳炎は小児が罹患することが多い疾患であり、1歳までに62%、3歳までに83%が少なくとも1回は罹患すると言われています。

  • 滲出性中耳炎

    滲出性中耳炎とは急性炎症を伴わないで、中耳腔に貯留液がある状態です。

  • 老人性難聴

    加齢に伴って生じる難聴を老人性難聴と呼びます。

  • 突発性難聴

    突発性難聴とは突然に感音難聴が発症し、原因が不明とされています。 発症から1か月以内に治療しないと聴力が悪いまま固定してしまいます。

  • メニエール病

    めまいが反復し、耳閉感、耳鳴り、聴力(低音域が多いです)の低下を伴うものをメニエール病と呼びます。

  • 耳垢栓塞

    耳垢は耳垢腺からの分泌物、皮脂腺の分泌物、脱落した外耳道表層の角化細胞、耳の毛、埃などがあわさったものです。外耳道の形態異常や分泌物の性状によりmigrationが低下すると耳垢栓塞となります。

  • 耳の掃除について
  • 外耳炎

    頻回な耳掃除による刺激や耳漏の刺激により外耳道に炎症を起こしている状態です。

  • 外耳道異物

    外耳道の異物になるのは小児ではビーズ、BB弾、消しゴム、キャップなどが多いです。成人では毛(自分の毛、ペットの犬や猫の毛)、綿棒の先端、ティッシュペーパー、イヤホンの先端、補聴器の部品などがあります。

  • 外耳道真菌症

    外耳道深部に真菌(カビ)が寄生すると、剥がれた表皮が膜様物となって外耳道を覆うようになり様々な症状がでます。

  • 外傷性鼓膜穿孔

    鼓膜の穿孔は直接的な刺激もしくは間接的な刺激でも生じます。

  • 外リンパ瘻

    強く咳き込んだりして髄液圧が急激に上昇した場合に前庭窓、もしくは蝸牛窓が破綻して瘻孔を作った状態です。