鼻出血
鼻出血は大部分が鼻中隔前下方の部位から起こります。この部位は外頸動脈と内頸動脈が吻合する部位であり、血流が豊富であることから出血が多いとされています。

図:鼻腔内の血管走行
鼻中隔前方に血管が集まるのがわかります。
鼻中隔前方に血管が集まるのがわかります。
鼻出血の治療方法
鼻出血に対する治療方法は出血部位により異なります。
1)鼻中隔前下方の部位からの出血
鼻腔粘膜焼灼術を行います。出血部位を確認した後に、止血剤と局所麻酔液を染み込ませたガーゼをそれぞれ10分間置きます。出血していないことを確認してからトリクロール酢酸を用いて鼻中隔表面に露出している血管を焼灼します。 トリクロール酢酸で焼灼した部位に鈍い痛みがでることがあります。

左図:出血部位を確認しました。
右図:出血部位に止血剤と局所麻酔液を染み込ませたガーゼを置いた後に、トリクロール酢酸を塗布しました。
右図:出血部位に止血剤と局所麻酔液を染み込ませたガーゼを置いた後に、トリクロール酢酸を塗布しました。
2)鼻腔後方からの出血
出血部位の確認を鼻腔ファイバースコープで行います。
鼻腔粘膜焼灼術は鼻腔後方からの出血では行えません。
ガーゼを出血部位に挿入して圧迫することで止血を図ります。
鼻腔粘膜焼灼術は鼻腔後方からの出血では行えません。
ガーゼを出血部位に挿入して圧迫することで止血を図ります。
鼻の病気一覧
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アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は患者数が増加しており、国民病とも呼ばれることもあります。 季節性としては、スギやヒノキの花粉(花粉症)、通年性としてはハウスダストやダニがあります。
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急性副鼻腔炎
鼻腔の急性炎症に引き続き起こります。細菌感染により起こることが多いです。 副鼻腔のひとつである上顎洞は上顎歯と接しているため、歯科治療後により起こることもあります。
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鼻出血
鼻出血は大部分が鼻中隔前下方の部位から起こります。この部位は外頸動脈と内頸動脈が吻合する部位であり、血流が豊富であることから出血が多いとされています。
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鼻茸
慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎の分泌物による局所の刺激により粘膜が浮腫性に肥厚して鼻茸となります。鼻茸は副鼻腔炎を合併することがほとんどです。アスピリン喘息に合併する鼻茸は難治とされています。
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嗅覚障害
鼻疾患あるいは中枢疾患により嗅覚障害を起こします。 感冒(風邪)症状の後に生じることが多いです。
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鼻内異物
乳幼児に多いです。親が見ていないところで鼻に異物をいれてしまう子供がおり、診断が遅れることがあります。子供が長期にわたり鼻がつまっていると思ったら、耳鼻咽喉科の受診をすすめます。